大田 俊一郎 (2014年2月1日更新)

oota_syunichirou「におい」

熊本市民病院
大田俊一郎(平成三年入局)

先日、病院のエレベーター内でとある医師(嫌煙者)が事務職員(喫煙者)に、「くさい人とはエレベーターに乗りたくないね」と面と向かって言い放った。もちろん、冗談混じりでの口調で、事務職員も笑いながら答えていたが、ショッキングな出来事だった。目の前でタバコを吸っている訳でもなく、喫煙者というだけで面と向かって「くさいからタバコをやめろ」と言い放つところまで行くと、いささか行き過ぎではないか。もし、自分に加齢臭があるとしたら、あるいはがんの浸潤で臭気を発している患者が面と向かって「くさい」と言われたらどんな気持ちになるのか想像できないのであろうか?「におい」は常に差別に結びついている。「くさい」という言葉はいじめや被差別部落民あるいは在日朝鮮人差別の際にもよく使われた言葉である。タバコの「におい」が嫌いな人がいることは仕方がないし、嫌煙者が喫煙者を排除しようとすることにも、いまさら論争する気もない。しかし、喫煙者に対してならば、「くさい」と何の躊躇もなく言い放つことが許される風潮には「嫌なにおい」を感じている。

2014-02-01
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